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培養したリンパ球から染色体が展開するシーンの動画、フォアテイルズ

 

昔、むかし・・・。

ターコイズ屋が臨床検査技師、細胞遺伝なんちゃら師(忘れたw)、、、だった頃の話。

 

数日前に、この動画がどこかのHDDに保存してあった事を思いだした。

染色体が展開するシーンなんて、、、医療関係者でも見たことがないんじゃないか???と、、、思ってしまった。

なんだか、宝の持ち腐れのような気がしてYoutubeにアップしておくことにした。

いつか、誰かの為になるカモシレナイ・・・。そんな気がして。そして探し出した。

 

 

動画補足)

この動画は、リアルな展開(顕微鏡下で起こる実際の速度です)を動画撮影再生しています。

顕微鏡下での撮影は、カルノア液の揮発速度を調整するために、スライド部分の湿度を50%以上に上げて室温も調整しています。

 

左下の細胞を見ていると展開タイミング(展開時間)がわかりやすいです。

細胞膜がなくなり細胞質が広がり最後に核だけになる。

 

「梅雨の時期は、展開がいいんだよねぇ・・・」って当時の上司は言っておりました。(気づけwそれは凄いヒントだ。)

ま、でもそんな能天気な上司の言葉ってのは、「ん?」って、自分の作業に疑問を持つ人間には良いヒントになるんですよね。

「冬場は展開が悪くて、梅雨に展開がいい。それがこの業界の常識さ。

そんなのは、当たり前なんだよ**君!」

 

(@@?何言ってんだ?この人。。。

 

そりゃ、温度、湿度(=揮発速度)の違いしか考えられないだろうに。。。

でも、さすがに、ここまで来ると上司が哀れに思えてなりませぬ。

だって、何年も何年も、春夏秋冬、毎日毎日なんの疑問も持たずに作業し続けてきたんですよ?

 

重なった染色体の標本は当たり前なんだと自分に言い切って・・・。なにも調べないで。

何百時間もまじめに無駄に生きてきた人に、**なんて、思っているけど、かわいそうで言えなかったなぁ。(笑)

 

さて、本題の(笑)双眼の顕微鏡で、片側にデジカメをあてて撮影したものです。

スライドに滴下した細胞浮遊液は0.1mlです。(100マイクロ)微々たるものです。あっという間に乾きます。

 

そもそもカルノア液は、メタノールと酢酸の溶液(細胞固定液)です。揮発して当たり前の溶液です。

 

その揮発時間を制御しよう!っていう話です。簡単です。細胞が開いたら乾く前に溶液を追加するだけなので。

細胞膜が消えるまでに何秒?デロ〜ンって染色体が出てきて、何秒で固定されちゃうの???

それが答えなのです。

 

細胞を上から見ているので細胞膜が消えてから内容物(細胞質、染色体または、未分裂の核)が広がる様子です。

1滴の細胞浮遊液(1:3カルノア液)は、40秒ほどで揮発乾燥し、細胞はスライド上に固定されてしまいます。

 

30秒で細胞膜が消えて細胞が広がり始めたタイミングでカルノア液が追加されれば、細胞が広がる範囲がわずかにのびます。

染色体は細胞質(粘性が高い)が糊のように周りにあるので、溶液を追加しても遠くまで流れて散り散りになることはほとんどありませんでした。逆にそれほど広がりにくく、乾いた瞬間にスライドに固定されてしまうので、重なりが起こりやすいのが通常です。

 

すでに退職した染色体の女性医師は、当時上から(高い位置)落とせば染色体がきれいに広がるから台に乗り上から1滴スライドに落とせばいい標本ができるとしきりに、台に乗れとすすめてきましたが。

まじめで有能な上司に高学歴自慢な医者・・・。なん重苦だ?

 

台に乗って、手を伸ばして3m近いところから1滴落とす・・・スライドで受け・・・(−−;おい。。。

スライドに当たらねーよ?あたしなら、うまく当たるからやらせろ?(^^;いえ、先生さま、、、もう結構です。

付き合いきれないw

 

この動画でもわかるように、、、スライドの上に静かに細胞浮遊液を1滴流すだけで、ちゃんと染色体は展開します。

 

 

補足おわり)

 

 

昔、染色体の分析を担当させられていたんだ。

ある日、染色体担当がいなくなっちゃったんだよ転勤でwだから、仕方なく。

 

まあ、そんなもんだ。で。器用貧乏な奴が人身御供になった・・・ってわけ。

 

染色体は、培養したリンパ球をスライドに撒いて、偶然展開したものにバンドをかけて(だして)分析する。

46本もあるんだから、重ならないわけがない。重なったら、そこは違う細胞の展開を探して分析しろ・・・と教わる。

 

0705-001.jpg

 

まあ、たしかに、、、46本もありゃ、、、絡むわな・・・と、思い込んでしまった。だから、数年はそれが当たり前だった。

が、一人の患者に20枚〜40枚ものスライドを分析しなきゃいけないなんてのは時間がかかりすぎる。

そう思ってしまったんだ。ある日。

 

そう。要するに、染色体が重ならなきゃいいんだよな・・・と。

 

寝ながら毎日、来る日も来る日も考えた。細胞内の粘度はグリセリン並みらしい。そんなドロドロしたもの重ならないようにするなんてことが、、、どうすれば???

 

「鴨南蛮のドンブリを、ひっくり返して、うどんが重ならない方法は???」

そればっかりをイメージしていた。メモ帳を片手にベットで寝る日々。思いついたら書く。寝る。書く。寝るw

 

位相差顕微鏡にデジカメを押し当てて、どんな感じなのか撮影してみることにした。

 

0705-003.jpg

これがその時の画像。。。

細胞浮遊液をスライドに滴下する。カルノア液(細胞固定液)がみるみる揮発して、乾いておしまい。40秒ほどの動画。

これじゃ、なんにもわからな・・・

いや、わかった。

なんで、途中で細胞周辺が光っているんだ?これが始まりだったんだ。

そう。物事は立体的に考えなくちゃいけない。

上からみたら、光って終わるんだ。ということは?「光を集めているから光る。」

光が集まるってことは?そこにレンズが出来ているからなんじゃないか?・・・と、思った。

 

0705-005.jpg

光るというのは、△両態のときだろう。液面が下がり細胞周辺と細胞でレンズのような形になる(光が集まって見える)そして、光らなくなるというのは、展開が終わり乾いて固定されたという事だ。

つまり、この光るタイミングで染色体の展開が始まるのでは???と、考えた。

 

展開を自動制御するなら光学センサーをつけりゃいい。(・・・たぶんねw)

 

これで、解決した。そうなんだ。鴨南蛮、バラバラにできるんだ。(いや、鴨南蛮は無理かwうどんが長い。)

実は、この展開開始から停止(乾燥)まで10秒とないんだ。だが、一定量の細胞浮遊液(カルノア濃度も正確に一定)なら、、、同じ秒数でこの現象が起こる(はず)この10秒間がネック(重要ポイント)だった。

 

タイミングを測り、溶液量を増やせばいいんだと、、、。ひっくり返した鴨南蛮にだし汁をかければ・・・広がるじゃないか。

 

0705-006.jpg

さて、それではその追加滴下する秒数は?細胞は粘度が高い。だが、この30〜40秒あたりで溶液が増えれば・・・。

 

0705-007.jpg

46本の染色体が培養したリンパ球の中に絡まっている。細胞展開する際に、展開開始のタイミングで溶液をわずかに追加。

細胞間の距離を少し広げてやれば、重なりはほとんどなくなるんだ。

 

0705-002.jpg

もともと、細胞(染色体)は、ぺったんこじゃない。それ自体に厚みがあるんだ。だから、溶液が増える(展開時間が伸びる)なら染色体同士は重ならずにズレる。くびれが引っ掛からない限り染色体は重ならないんだ。

 

G−バンドの染色体がふっくらしてきれいなのは、超純水で処理しているから。これらは、標本作製当日のバンドだ。

エイジングで2週間乾燥なんて事はやっていない。時間の無駄だ。超純水は、水分子間がガラガラだ。スカスカなんだ。

汚れた細胞からいろんなものを?吸い出してくれる。水についても随分調べた。水道水なんかで標本を洗ったところで、、、

泥水で泥んこのシャツを洗うようなものなんだ。水道水、イオン交換水、蒸留水、超純水。この違いを調べればわかるはずだ。

 

水には硬質、軟質があるそれはなんの違いなのか?重金属の含有量は???そう、だから、超純水なんだよね。洗うなら。

もちろん、機材は超純水で共洗いしなきゃ、無意味だ。出来立ての超純水じゃなきゃダメだ。

あとは過酸化水素水で処理してトリプシン処理してギムザ染色すればいい。(時間と濃度はちゃんと検討した方がいい)

細胞展開にはカルノア液の揮発速度が絡む。室温、湿度の管理ができなきゃ無理。条件は一定にそろえる!それは基本。

 

染色体のGバンド装置を作った(特許申請)したメーカーがあったんだが、あの時設計者は超純水を理解できていなかった。

だから、バンドはでない。そう・・・きれいに出るはずがないんだ。あの構造では。洗いが甘いんだよアレじゃw

 

超純水使えばいいんでしょ?って感じでやるとでないよ。1枚ずつ処理しなきゃダメ。丁寧に処理できなきゃダメだ。

バケットでまとめて染めたら全滅。洗いが不十分になってしまう。データなんてとれたもんじゃないのだ。

 

技法の問題ではなくマシンの構造が欠陥なんだ(言わなかったけどねw自分でデータ取らないからわからないんだろうな)アレ。

 

ターコイズの研磨とか、カットとか。そういうのも考える事が多い。

彫金なんかもそうだけど、炎、材料、季節、機材。そして技法。

 

考えるってのは、面白いんだよ。

 

フォアテイルズフォックス

 

たくさん、カットしたので、ターコイズが山盛り・・・なのは、いいんだけど。

誰が研磨するんだよ?

 

・・・自問自答

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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